こんにちは。ふくの歯科 矯正歯科【小田急相模原】院長の福野です。
呼吸には、鼻で行う「鼻呼吸」と、口で行う「口呼吸」があります。人間は本来鼻呼吸ですが、慢性的な鼻づまりや習慣、癖などによって、口呼吸をしてしまっている人は少なくありません。口呼吸をしてもすぐに何か問題が起きることがないため、どうしても放置しがちに…。しかし、口呼吸が原因で、むし歯や歯周病になりやすかったり、かみ合わせが悪くなったり、顔の表情がだらしなくなったり、さまざまな弊害が起きることが分かっています。口呼吸をしたままでいると今後どうなってしまうのか、状態を改善するためにはどうすればいいのかについて触れていきたいと思います。
口呼吸の弊害
口呼吸することのデメリットを確認しておきましょう。最近は、口呼吸の弊害に注目し、「口呼吸が病気の原因となっている」という見地に立って、治療と並行し鼻呼吸を指導する医師、歯科医師が増えています。以下の表に簡単にまとめてみました。
口呼吸をしていると、当然のことですが口の中が『乾燥』します。すると、唾液の分泌量が減少し、その「殺菌作用」、「浄化作用」、「再石灰化作用」、「希釈作用」が働かず、むし歯、歯周病になりやすくなってしまいます。また口臭、着色汚れ、ドライマウスの原因にもなります。
また『見た目』にも大きな影響を及ぼします。
「歯並びが悪くなる」、「口角が下がり、への字口になる」、「表情がだらしなくなる」などの影響が出ます。
正しいかみ合わせは、舌が前歯を押す力と口周りの筋肉が歯を締め付ける力との、内と外からの圧力のバランスが取れていることで保たれます。ですが口呼吸をしていると、この外からの力が働かず、バランスが崩れて出っ歯になりやすくなります。
そして口呼吸は、顎の筋肉が鍛えられることがないので顎下の肉がたるんできます。その結果、口角はさがりへの字口になり、顎も二重あごになってしまうのです。また口がつねに半開きの状態であるうえ、こういった顔つきに変わってしまうことで表情全体がだらしなく見えてしまいます。
口呼吸の原因は?
口呼吸の原因はさまざまです。主な原因を以下に示します。
①口呼吸が癖になっている
②鼻炎・蓄膿症などで鼻づまりなどの問題がある
③口のまわりの筋肉がすでに衰えている
④歯並びに問題があり唇がとじない
⑤肥満
口呼吸の改善方法について
口呼吸の多くは鼻づまりが原因と考えられるため、日頃から鼻の通りを良くしておくことが大変重要です。特に、かぜは鼻づまりの最大の原因といえ、日ごろからうがいや手洗いの励行、規則正しい生活習慣、十分な睡眠などで予防を心がけましょう。
鼻づまりを直したところで、歯並びに問題があった場合は、どうがんばっても唇を閉じれず口呼吸になってしまいます。歯列矯正を検討してみるといいと思います。
また、衰えている口の周りの筋肉を動かすために、ガムをかんだり、口もとの筋肉のトレーニングをしたりするのも有効です。内科医が考案した「あいうべ体操」と呼ばれるトレーニングはテレビや雑誌などでよく紹介されています。
まとめ
正常な呼吸は鼻呼吸です。口呼吸から鼻呼吸へと改善されると、口の中の環境、顔の表情にうれしい変化がきっと実感できることでしょう。口呼吸は残念ながらデメリットしかありません。見た目も中身も健康な生活を送るために、口呼吸の改善、鼻呼吸の維持に努めていただきたいと思います。