こんにちは。ふくの歯科 矯正歯科【小田急相模原】院長の福野です。

まもなく東日本大震災から7年になります。震災時、私は仙台市の東北大学病院歯科医療センター内で診療中でした。突然の激しい揺れとともに、悲鳴、ガラスの割れる音、ものが倒れる音、菅が破裂する音、さまざまなことが一気に起きて、パニックになったのを今でも鮮明に覚えています。患者様も治療台に座っていられず、患者さんを治療台ごと抱えて、揺れがおさまるのを祈る気持ちでただただ耐えていました。

肺炎予防、インフルエンザ予防のために歯磨きをしましょう
災害時の口腔保健(オーラルケア)は、お口の健康だけではなく、身体の健康にも影響します。避難所生活や水不足で口の中を清潔に保つことができないと、お口の中の菌でも身体に悪影響を及ぼす可能性があります。高齢の方では、誤嚥性肺炎がおこりやすくなるので注意が必要です。肺炎は、現在日本人の死亡原因第3位という高い割合を占めています。入院を要した高齢患者の肺炎の種類を調べたデータによると、80歳代の約8割が誤嚥性肺炎、90歳以上では9.5割以上が誤嚥性肺炎と報告されています。つまり、後期高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎だと考えられます。

災害時のオーラルケア方法
◎歯ブラシがないとき
食後に水やお茶でしっかりうがいをしましょう。またガーゼやハンカチなどを指に巻いて歯を拭い、汚れをとるのも効果があります。
◎唾液を出す
唾液には口の中の汚れを洗い出す働きがあります。 水分をできるだけたくさん摂り、あごの付け根=耳の真下の部分をマッサージしたり温めたりして、唾液を十分に出すよう心がけてください。ガムをかむことも唾液を出させるよい方法です。

液体ハミガキが効果的
練ハミガキの代わりになるのが液体ハミガキです。液体ハミガキは、液体なのでお口のすみずみにまで広がり、万一の災害時のオーラルケアにも大きな効果が期待できます。適量(約10mL)をお口に含み、20秒ほどすすいでいきわたらせた後ブラッシングします。ブラッシング後は口を水ですすぐ必要はありません。災害時などで水が少ない状況でも、殺菌成分のある液体ハミガキを使うことでお口の中の菌を減らすことができます。
(***液体ハミガキは、洗口液とは異なります。洗口液はハブラシを使わずにお口をすすぐだけで、口臭の防止や口中の浄化等を行うものになります。)

防災用品として
「歯ブラシ」「液体ハミガキ」、この2つがあれば十分です。デンタルフロス、歯間ブラシなどの歯間部清掃補助器具、うがい薬、洗口液もあればいうことありませんが、そこまで揃えておくのはなかなか難しいですね。

災害時のオーラルケアに、水が少ない場合でも使いやすい「歯ブラシ」と「液体ハミガキ」を是非ご用意ください。