歯周病治療Periodontics
従来までの対症療法ではなく、
原因療法で歯周病を「根本から改善」。
- 1. 歯周病セルフチェック
- 2. 歯周病の原因
- 3. 歯周病のリスク因子について
- 4. 歯周病の治療法
- 5. 歯周病の予防法
- 6. 歯周病について知っておいていただきたいこと
- 7. 患者さんへのお願い
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やってみよう!歯周病セルフチェック
歯周病は、自分で気付かないうちに進行してしまう恐ろしい病気です。
以下の項目の中で、当てはまるものをチェックしてみましょう。
1つでも当てはまったら、歯周病の可能性があります。
歯周病はそのまま放置すると、歯を失うことになるかもしれません。
気になる方は、重症化する前に一度相談にいらしてください。
歯周病の検査*を受けることをお勧めします。
歯周病セルフチェック
- 歯ぐきの色が赤い、もしくは赤黒い
- お口の臭いが気になる
- 歯と歯の間にものがつまりやすい
- ときどき歯が浮いたような感じがする
- 体調が悪い時、歯ぐきが腫れやすい
- 指で触ってみて、グラつく歯がある
- 歯ぐきがやせて、歯が長く伸びてきた
- 歯ぐきからウミが出たことがある
※ 歯周病の検査は保険適応です
歯周病の原因
日本人の成人の8割以上が歯周病と言われています。
毎日きちんと歯を磨いているのに、なぜ多くの方が歯周病にかかってしまうのでしょう?
実は、『歯を磨いたつもりでも、磨けていない』現実があります。
この『磨き残し』こそ歯周病の直接的原因なのです。
歯と歯ぐきのあいだに入り込んだ歯周病菌が、この“磨き残し”をエサに活発化し毒素を出して、歯ぐきの炎症を引き起こします。
空気にふれず、温かい歯と歯ぐきのあいだは歯周病菌にとって絶好のすみか。放っておくとどんどん繁殖し、歯ぐきの奥へ奥へと侵攻し、最終的には歯を支える骨まで溶かしてしまいます。
ただ歯周病になったからといってすぐに骨が溶けるわけではありません。
自分の歯ぐきの状態に早めに気づければ、進行を食い止めることができます。
歯周病の初期は自覚症状がありませんので、こまめなセルフチェックと定期的な歯科受診が必要になります。
歯周病に罹患しやすい方
『口の中の環境』と『生活習慣』の2つが大きく関係しています。
口の中の環境
- 磨き残しが多い
- 歯ぎしり、くいしばりがある
- 噛み合わせが悪い
- 乾燥(唾液量低下、口呼吸)
- 歯に合っていない被せ物がある
生活習慣
- 歯磨きをあまりしない
- 喫煙
- 疲労、ストレス
- 乱れた食生活
- 歯科検診を久しく受けていない
歯周病の治療法
当院での歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つになります。
- ① 歯周基本治療
- ② 歯周外科治療
① 歯周基本治療
歯周病の原因は、細菌のかたまりであるバイオフィルムです。医学的にごく当たり前のことですが、病気を治すには原因の除去が必要です。
歯周病が発症もしくは進行しないようにバイオフィルムの除去を徹底的に行い、お口の中の環境を整えることが必要です。歯周基本治療は、歯周病の進行の程度にかかわらず、全ての歯周病患者さんに対して初めに行われる治療で、歯周病の原因であるバイオフィルム(歯垢、歯石)を専門的な器具を用い徹底的に除去する治療です。麻酔を使用することもあります。その他、歯根面の滑択化、ぐらぐらする歯の咬み合わせの調整、ぐらぐらを抑える暫間固定、悪習癖(歯ぎしり、口呼吸)の修正、などです。
歯周基本治療は、このような歯科医院で行う治療だけではなく、患者さん自身が行う『セルフケア(ブラッシング)』がセットになっています。実は、これが一番重要でセルフケアなくして治療の成功はありません。
歯周病の症状が比較的軽度の場合は、歯周基本治療で症状は改善し、病態の進行は停止します。
② 歯周外科治療
歯周病の病態レベルが中等度から重度になると、歯周基本治療では改善しないことも多いです。歯周基本治療ののち、一部深い歯周ポケットが残存している場合は、複雑な歯槽骨の欠損が残存する可能性が高く、その際には歯周外科手術が適応になることがあります。
歯周外科手術は、歯肉を切開して剥離することで、歯や歯槽骨が明確にみえる状態にし、歯周基本治療では除去しきれない部分のバイオフィルムの除去を行う方法です。
歯周外科手術には、目的に応じて歯周ポケットを除去するもの(組織付着療法)、歯を支えている骨など歯周組織を再生させるもの(歯周組織再生療法)、歯を磨きやすいように歯肉や粘膜の形を変えるもの(歯周形成手術)、増殖した歯肉を切除するもの(切除療法)などがあります。 外科手術に必要な時間は治療対象となる歯の本数にもよりますが約1~2時間程度かかります。全身麻酔ではなく、局所麻酔のみで行うのが一般的です。大きな手術とは違い、小手術にあたるものですのでそこまでご心配いただく必要はありません。術後は、1~2週間後に抜糸し、数ヶ月経過を追います。
当院院長は、日本歯周病学会に所属しており、歯周外科手術の施術経験も豊富ですので、ご安心ください。
ポケットが改善されれば、メインテナンスに移行します。ポケットが改善されなくても、歯肉に炎症・出血が認められない場合には、病状安定と判断し、歯周病安定期治療(SPT)に移行し、歯周病の重症化を抑制し、歯周組織を維持安定化させていきます。
※歯周組織再生療法についてはコチラ
歯周病の予防法
歯周病を予防するためには以下の3つが不可欠です。
- ① 正しいホームケアを励行すること
- ② 生活習慣の改善
- ③ 定期的なメインテナンスを受けること
①歯周病治療もしくはメインテナンスクリーニングにより歯周病菌を取り除いても、歯周病菌をゼロにすることはできません。お口の中に残ったわずかな歯周病菌は、食事をするたびに増殖します。つまり普段のご家庭でのセルフケア(ブラッシング)で歯周病菌の増殖を抑えていかなければなりません。歯科医院に来院するのが年4回とした場合、あとの361/365日(98.9%)は、ご自身でのケアになります。奥歯や歯間部には、歯間ブラシとデンタルフロスは必ず使用するようにしましょう。
② 生活習慣は、重要な危険因子なので、タバコを吸う、疲労やストレスをためる、よく噛まずに食べる、間食が多い、つい夜ふかしをしてしまう、ということが続かないように気をつけましょう。さらに、歯周病は全身疾患(糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など)とも深い関係がありますので、「歯周病=お口の中の病気」という認識ではなく、「歯周病=命に関わる場合もある」という認識の転換が必要です。
③ クリーニングで除去したバイオフィルムは3か月もすると歯表面にたっぷり堆積して再形成されますので、3か月、どんなに遅くとも6か月に一度は、歯科衛生士によるプロのクリーニングを受けることをお勧めします。『3か月=季節ごと』と思っていただくと、良いかもしれません。
歯周病について知っておいていただきたいこと
- 歯周病は、歯周病菌による(バイオフィルム)感染症です。
- 慢性疾患でありコントロールはできますが、完全な治癒はむずかしいのが現状です。
- 歯周ポケットから歯石、プラークを完全に除去することは組織・細菌学的に不可能です。
- 歯周治療後のポケットは、メインテナンスをしなければ再び感染します。
患者さんへのお願い
歯周病は、歯科医師や歯科衛生士の力だけ治せる病気ではありません。
『先生なんだから、どうにか治してよ』
このように言われても、残念ながら私どもの力だけでは治せないのです。
歯周病のそもそもの原因は、患者さんの歯磨きや生活習慣にあります。そのため、歯磨きや生活習慣を改善していかないことには、私どもがどんなに一生懸命治療をさせていただいても完全に治すことはできません。
このことをご理解いただいた上で、
『歯周病を治すために自分でできることは頑張る』
というお気持ちをお持ちでしたら、非常にうれしく思います。
どうぞ当院にご相談ください。