予防歯科

予防歯科Preventive Dentistry

「治す」から「守る」時代へ
むし歯、歯周病にならない・させない取り組みを行っております

歯科医療の現状

これまでの歯科医療は、悪くなったところを削って詰めるといった外科的な治療が主流でした。
しかし、この方法では生涯にわたって歯を守りきれないことがわかり、歯科医療は転換期を迎えています。治療してもその後のトラブルにより平均10年ももたないことも報告されています。
歯は一度削られてしまうと弱く脆くなり、再治療のリスクを背負ってしまうのです。人生100年時代を迎えた今、健康な歯をできるだけありのままの姿で残すことが歯を守る最良の方法であることがわかってきています。歯科医療は、歯を少しでも良い状態で残しながら、できるだけ欠損の時期を遅らせるようにマネジメントしていく方向へと向かいつつあります。

当院の「予防」に対する考え方

「歯医者は、痛みが出たり詰め物が取れた時に行くところ」
このようにイメージもしくは実践されている方は多いと思います。
しかし、そのようなかかり方をしていると、思った以上に歯の状態が悪くなっていることも多く、治療が長引いて大がかりになってしまうこともあります。
歯を治してもらいに行くつもりが、結果的に歯を抜歯しなくてはいけなくなることだってあります。

このような歯科のかかり方は、果たして患者さんにとって「幸せ」でしょうか?

患者さんにとっての幸せは「生涯自分の歯で過ごすこと」「今ある歯を1本でも多く残すこと」ではないでしょうか?

そのためには、歯の二大疾患である「むし歯」と「歯周病」をなるべく早いうちから予防していく必要があります。むし歯と歯周病はその原因がわかっています。原因がわかっているからこそ予防できるのです。
ただ、むし歯・歯周病になってしまった方も決して遅くはなく、あわてる必要はありません。

悪くなってしまったところを元の状態に戻すことはできないですが、可能な限り原状回復し、症状の悪化を防ぎ、改善した状態を維持することは十分に可能です。

患者さんは治療を終えると、「もう治ったから大丈夫」と安心されると思いますが、実は治療した歯というのは、継続的なメインテナンスが必要になります。歯は毎日使うものですから、メインテナンスは欠かせません。

「私はしっかり歯磨きをしているから大丈夫」と思われる方も多いと思いますが、自分で落とすことができる汚れは、最大でも歯垢全体の65%と言われています。残りの35%強の汚れは、歯科医院で行うプロのメインテナンスでしか落とすことができないのです。

ふくの歯科 矯正歯科では、「むし歯」「歯周病」にさせないようサポートしていくことを根幹に据え、仮になってしまっても歯をできるだけ長持ちさせる最適な治療を行い、一旦治療が終了したら「歯を治す」場所から「歯を守る」場所になることで、患者さんのお口の健康を継続して守っていく、そのような取り組みを実践しております。
「悪くなってから通院するのではなく、悪くならないために通院することで、生涯自分の歯で食べられるんだ」ということを是非ともご理解いただきいと思っております。

「予防歯科」で大切な3つのこと

むし歯と歯周病の原因は、細菌のかたまりである『バイオフィルム』です。
むし歯と歯周病を予防するには、『その原因を除去し、再発を防ぐ』、という医学的に当たり前の考え方に基づいた診査、診断、診療が非常に重要になります。
ただ残念ながら歯科医師、歯科衛生士の力だけで予防はできません。
そもそもの原因が、患者さんの歯磨きや生活習慣にあるからです。
ですから、患者さん自身にもお願いしたいことがあります。

『正しいホームケアの励行』
『生活習慣の改善』
『定期的なメインテナンス』
大きくこの3つになります。

正しいホームケアの励行

『歯科医院に定期的に通っていれば、むし歯にはならない」は残念ながら間違いです。
年に4回(3ヶ月ごと)にメインテナンスを受けていたとしても、1年365日のうちの4日でしかありません。メインテナンスで除去したバイオフィルムの定着を防ぐためにも、残りの361/365日のホームケアが重要です。

歯は毎日使うものです。患者さん自身が自分の歯に関心を持ち「自分の歯は自分で守っていく」という意識のもと、家庭でケアを行うことが何より大切です。
適切なホームケアの方法についてはコチラをご参照ください。

生活習慣の改善

むし歯や歯周病は生活習慣病といわれています。
本気で予防に取り組むのであれば、喫煙、多量の飲酒、歯磨き不良(回数、時間、やり方)、歯間清掃用具の不使用、食習慣(間食が多い、糖分の取りすぎ)、は改めたいところです。

定期的なメインテナンス

むし歯と歯周病の原因であるバイオフィルムは、3~4ヶ月で形成されるといわれています。したがって、当院では「3ヶ月に1度のメインテナンス」をおすすめしています。歯科衛生士がバイオフィルムを破壊、除去し、口腔内の健康を維持するための継続的な管理を行っていきます。

予防歯科の良点

1) 自分の歯が残る
予防歯科の最大のメリットです。治療後の良い状態を維持するために定期メインテナンスを受けることによって、歯の健康寿命を伸ばすことができます。つまり生涯にわたり自分の歯で食事を楽しむことができる可能性が高まります。入れ歯やブリッジ、インプラントといった歯の欠損を補う治療が不要、もしくは最小限に抑えられます。

2) むし歯・歯周病を未然に防ぐ
定期的にメインテナンスに来ていただくことで、むし歯や歯周病の原因であるバイオフィルムを徹底的に取り除きます。原因を除去し、発症または再発を防ぎます。特に症状がなくてもリスクに応じて歯周組織検査、レントゲン撮影(ともに保険適応)をご提案し、お口の状態の把握を行います。

3) 治療による侵襲を最小限にできる
予防歯科では、むし歯や歯周病が重症化する前に対策を講じます。重症化した場合の治療と、まだ軽症の時の治療とでは、どちらが簡潔で体へのダメージが少ないでしょうか。当然ながら後者の方です。治療による痛みも最小限で済みます。

4) 全身の健康につながり、生活の質を向上することができる
食事をする楽しみは、人生のさまざまな楽しみの中でも大きなウエイトを占めます。自分の歯で食べられる人ほどQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が高いという研究結果も報告されています。健康な歯でものをしっかり噛むことは、筋肉の衰えを防ぎ、脳の機能を向上させます。噛むことで、顎だけでなく頭や首の筋肉を動かして血液の循環をよくし、これによって脳の細胞が刺激を受け活性化されて老化を防ぐのです。

また、よく噛めることで唾液の分泌が促進されます。大量の唾液が細菌を洗い流し、むし歯・歯周病を予防します。消化酵素アミラーゼがでんぷんを分解し、消化吸収を助けます。味覚が敏感になり、食べ物の味がよくわかるようになります。ペルオキシターゼ等の酵素が食品中の発がん性物質を抑えます。インフルエンザなどの感染症の重症化を防ぐことができます。

5) 通院回数を少なく、治療費用を節約できる
定期的にメインテナンスに通うことは時間も費用もかかるのでは?と思われるかもしれません。しかし、本格的にむし歯や歯周病の治療を行う場合には長期間にわたり何度も何度も通院しなければなりません。そうなると、それだけ多くの時間と費用が必要になります。

患者様のむし歯・歯周病のリスクにもよりますが、定期メインテナンスは3~6ヶ月に1回の通院で済むことが多いので、時間も費用もそこまでかかりません。歯は毎日使うものですから、日々のご家庭でのケアだけでなく数ヶ月に1度の歯科医院でのメインテナンスは必須です。「生涯自分の歯で咬める」ということに価値を見い出していただいている患者様にとっては、決して高い投資ではないと考えております。

当院の予防歯科の流れ

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