こんにちは。ふくの歯科 矯正歯科【小田急相模原】院長の福野です。
皆さんはもうご存知かもしれませんが、歯科医療の現場では『CAD/CAM冠』が広がってきています。
CAD/CAM冠とは、保険適応のメタルフリーの白い被せ物(ハイブリッドレジン冠)です。
従来の金属の被せ物は、歯科技工士が一連の工程を全て手作業で作製していました。そのため、出来上がってくるものクオリティは、技工士の技量や経験により左右されることがありました。
それに対してCAD/CAM冠は、コンピューター上で被せ物を設計して(CAD ,computer-aided design)、ミリングマシンという機械で作製する(CAM ,computer-aided manufacturing)、という工程をとります。コンピューターが全てを決めているため、仕上がり具合にばらつきはなく、ある一定のクオリティの冠が出来上がってきます。
保険適応CAD/CAM冠のメリットは、
・メタルフリーの白く自然な被せ物が、手頃な費用で入れられる。
・金属アレルギーの心配がない。
ただ保険適応の条件があります。
上下の前から4番目、5番目の歯、また上下左右の7番目の歯が4本とも残っている場合には下の6番目の歯にも使えます。
(金属アレルギーのある方は上下の4番、5番、6番、7番の歯が適用になります。)
詳しくは下の図を参照してください。
また、CAD/CAM冠治療は、厚生局に施設基準の届出をしていないと行えません。
ふくの歯科 矯正歯科【小田急相模原】は、すでに関東信越厚生局に届出を行い認可医療機関となっているため保険適応で行うことが可能です。
さて、良い部分だけではなく、やはり保険適応CAD/CAM冠のデメリットのお話もしなければなりません。
保険適応CAD/CAM冠は、ハイブリッドレジンという材料を用いており、どうしても強度が劣ります。硬さがエナメル質よりも軟らかいため、経年的な摩耗が生じる可能性があります。これに伴い、噛み合わせのバランスの変化が起きることが予想されるため、定期的なチェックが必要であり、また場合によっては作り変えが必要となるケースも出てきます。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、割れてしまう危険性もあります。
また、経年的な変色が起きますし、冠の周囲には汚れ(プラーク)が堆積しやすいです。
当院では、見た目、耐久性を総合的に考え、より質の高いものを求められる患者さんには保険適応外のセラミック冠をおすすめしておりますが、CAD/CAM冠もメリット・デメリットを十分に理解し、適応症を誤らなければ、手頃な費用でメタルフリーの白い自然な歯が手に入る良い材料と言えるかもしれません。