こんにちは。ふくの歯科 矯正歯科【小田急相模原】院長の福野です。

治療がすべて終わり、通院からやっと解放される!と思った矢先、「では次回3ヶ月後に定期検診でいらしてくださいね。」と言われ、歯科医院への受診はいったいいつまで続くのだろうか、と不安に思ったことはありませんか?

今回は、治療後のメインテナンスの重要性についてお話させていただきたいと思います。

治療後の口の中は、痛みや不快感など来院前の問題点がほぼ解決され、理想的な状態になっていることでしょう。しかし、残念なことにセルフケアだけでは口の中を理想的な状態のまま維持することは困難なのです。

口腔内には300~400種類の細菌が存在し、歯垢(プラーク)1g中に約1000億個もの細菌が含まれています。歯はとても複雑な構造をしているため、歯磨きですべてのプラークを取り除くことは不可能です。歯磨きした後わずかに残ったプラークは、時間が経つと細菌群が定着して増殖し、ネバネバした「バイオフィルム」という形状に変化します。例えるなら「浴室の頑固汚れ」、「台所のぬめり」です。

このバイオフィルムがむし歯や歯周病を引き起こします。

バイオフィルムは歯にしっかりこびりついてしまっているため、歯磨きでは取れません。歯の平坦な面のバイオフィルムは歯磨きで取れるかもしれませんが、歯と歯の隙間、歯と歯茎の境目のバイオフィルムは歯磨きでは絶対に取れません。

バイオフィルムを除去するためには、歯科医院で専用のツールで歯のクリーニングをしてもらう必要があります。

なぜ3ヶ月に1度?

「歯周病の治療を受けた後、適切なセルフケアを行なうことができていた場合でも、歯周ポケット内の歯周病菌の数は、3ヶ月で元の値まで戻ってしまう」という論文データが、3ヶ月に1回のメインテナンスの根拠となっています。

つまり3ヶ月に1度の持続的なバイオフィルムの破壊と除去を行って、治療によって得られた口腔内の健康な状態を維持させ、歯周病の再発および悪化、新たな発症を防止する必要があるのです。

メインテナンスの効果は?

メインテナンスの効果を示す具体的な数字としては、スウェーデンの研究グループがまとめた論文(2004年)が有名です。 30年間に及ぶ研究結果は以下の通りです。定期的にメインテナンスを受ければ歯は悪くならないこと、メインテナンスは若い頃から受けた方がより効果が高いことがわかります。


ちなみに我が国の歯科疾患実態調査(2001年)のデータを以下に一部抜粋します。


安易に比較はできませんが、これを考えると、上記の定期メインテナンスを受けた場合の抜歯本数がいかに少ないかが分かるのではないでしょうか。

歯の治療が終わったら、メインテナンスの始まりです。

定期的なメインテナンスでむし歯、歯周病を予防し続けることは、生涯にわたり健やかな日々を送るための、未来の自分への先行投資ともなりえるのです。