歯を失ってしまった方へ

歯の機能回復についてFunctional recovery

歯を失う原因

2018年の厚生労働省が行った調査によると、歯を失う原因で最も多かったのが「歯周病」(37%)で、以下「むし歯」(29%)、「破折」(18%)の順でした。このうち「破折」の多くは健康な歯ではなく神経を取って脆くなった歯に起こっていて、原因は「むし歯由来」とみなすことができますので、「むし歯由来」は47%となり、抜歯の最大の原因となります。

喪失リスクの高い歯

2歯科疾患実態調査(2016年)によると、抜歯になってしまう可能性が高い歯は以下の4つの場合が多いことがわかっています。

  • ・未治療のむし歯
  • ・神経を取った歯
  • ・部分入れ歯の針金がかかる歯
  • ・歯周病が進行している歯

歯を失う原因

ものを噛む上で最も重要な奥歯である第一大臼歯を例に挙げてみましょう。
この歯は6歳臼歯とも呼ばれ、歯並び(歯列)の中では中央の位置にあり、この部分では自分の体重と同じくらいの大きさの咬む力(成人男性で約60kg)が発揮されることが知られています。この最も重要な歯がなくなるとどうなるのでしょうか?

  • ①まず咬み砕く能力(咀嚼効率)が約60%低下します。
  • ②時間が経つと、反対の歯(対合歯)が出てきますし、隣の歯が傾いてきます。
  • ③食べ物がつまりやすくなり、むし歯、歯周病のリスクが上昇します。
  • ④歯が部分的に強く当たるようになり、咬み合わせが乱れが生じます。
  •  

     上記のことは痛みなどの症状がなくても確実に進んでいます。
    早急な治療をお勧めいたします。
    その他、
    ・老けた印象になる
    ・顎や顔がゆがむ
    ・発音に支障をきたす
    など様々な影響を及ぼします。

歯を失ったあとの治療法

歯を失ったらあとの治療法は、大きく4つあります。ブリッジ、入れ歯(義歯)、インプラント、歯列矯正です。

ブリッジ

抜けた歯の両側の歯を削って、橋を渡すように冠をかぶせます。
失った歯の場所、本数によっては、治療できる場合とできない場合があります。
入れ歯より違和感が少ないという長所があります。
ただし両側の歯が健康な場合は、削ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
費用は保険適用になる場合とならない場合があります。

入れ歯

入れ歯は、治療の際の患者さんの負担も少なく、また完成後手入れも簡単です。ただ食べ物が間に挟まったり、ゆるく外れそうになったり、バネが見えるのが気になることもあります。入れ歯でも、金属のバネの目立たないもの、アタッチメント(磁石)を使用したもの、歯の材質がより変色しにくいものなど、自費のものを含めると、いくつもの種類があります。

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インプラント

歯を失った部分の顎の骨に、生体親和性の高いチタン製のインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯を装着して咬む機能を取り戻す治療法です。しっかり固定されて天然歯と同じように咬めるうえに、見た目も美しいことで注目を集めています。ただし手術が必要となり、全額自費のため高額になります。当院では口腔外科の専門医によるインプラント治療を行っています。

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歯列矯正

ブリッジ、入れ歯、インプラントによる治療は、結局のところ、お口の中に異物(補綴物)が入ることになります。(金属だったり、インプラントだったり)。
歯列矯正は、すべてご自身の歯で治療が完了します。もちろん歯を削ったりすることもありません。ただし、失った歯の場所、本数により、歯列矯正では治せない場合もあります。

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治療法の比較一覧表

患者様がご納得して治療を進められるようしっかりサポートさせていただきます。ブリッジ、入れ歯(義歯)、インプラント、歯列矯正、各治療法の比較一覧表を以下に示します。

ブリッジ
見た目 保険:△ / 保険適応外:◎
耐久性 保険:△ / 保険適応外:◎
治療期間 1~2ヶ月
費用 保険:◎ / 保険適応外:△
メリット
  • ・保険のものは費用を抑えられる
  • ・治療期間が短い
  • ・ある程度しっかり咬める
デメリット
  • ・健康な歯を削る必要がある
  • ・保険のものは見た目に劣る
  • ・保険のものは清掃しにくい
入れ歯
見た目 保険:△ / 保険適応外:◎
耐久性 保険:△ / 保険適応外:◎
治療期間 1~2ヶ月
費用 保険:◎ / 保険適応外:△
メリット
  • ・保険のものは費用を抑えられる
  • ・治療期間が短い
  • ・着脱式のため清潔にできる
デメリット
  • ・装着時に痛みや違和感がある
  • ・ゆるく外れやすい
  • ・金属のバネが見える
  • ・咬む力の回復はある程度まで
インプラント
見た目 ◎◎
耐久性 ◎◎
治療期間 6ヶ月~2年
費用
メリット
  • ・天然歯のようにしっかり咬める
  • ・見た目が自然で美しい
  • ・まわりの歯に負担をかけない
デメリット
  • ・保険適用外のため費用が高額
  • ・外科手術が必要
  • ・治療期間が長い
  • ・骨がないと治療できない
歯列矯正
見た目 ◎◎
耐久性 ◎◎
治療期間 6ヶ月~数年
費用
メリット
  • ・自分の歯だけで治せる
  • ・歯を削る必要がない
  • ・見た目が自然で美しい
デメリット
  • ・保険適用外のため費用が高額
  • ・治療期間が長い
  • ・適応症が限定される
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